子犬のトイレトレーニングが進まない|失敗が減る環境づくりと3週間の手順

犬のしつけ方

迎えて2週間。シーツの上でできる日もあるのに、今日はサークルの外、昨日はソファの足元。「この子はトイレを覚えないのでは」と不安になっている頃だと思います。先に結論を書きます。子犬がトイレを覚えないのは、頭が悪いからでも、わざとでもありません。「失敗できる環境」で練習しているからです。

この記事では、覚えない原因を5つに分けて見分ける方法、失敗そのものが起きにくくなるサークルとトイレの配置、そして1週目・2週目・3週目で何を変えるかを決めた3週間の手順をまとめました。月齢ごとに我慢できる時間の目安、成功したときの褒め方(3秒以内)、においを残さない掃除の仕方、シーツをかじる・トイレの上で寝るといった困りごとへの対処まで、順番に書いています。

先に一つだけ。失敗を叱るのは今日でやめてください。叱られた子犬は「ここでするのが悪い」ではなく「人の前でするのが危ない」と学びます。その結果、隠れて排泄する犬になります。この理屈は本文で詳しく説明します。

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最終更新 2026年9月8日

  1. 子犬がトイレを覚えないのは「場所」をまだ学んでいないだけ
    1. 犬の側から見た「トイレを覚える」とは
    2. 月齢と、我慢できる時間の目安
  2. 覚えない原因を見分ける(5パターン)
  3. 失敗が減るサークルとトイレの配置
    1. 「寝る場所」と「する場所」を離す
    2. サークルの外で遊ぶときのルール
  4. 3週間の手順|週ごとに変えることを決めておく
    1. 1週目|飼い主がタイミングを全部握る
    2. 2週目|行動範囲を広げ、自分で戻れるか見る
    3. 3週目|ご褒美を減らし、留守番の配置を決める
    4. 掃除の仕方|においを残すと、そこが2つ目のトイレになる
  5. 困りごと別|シーツをかじる・トイレで寝る・トイレの上で遊ぶ
    1. ペットシーツをかじる・ぐちゃぐちゃにする
    2. トイレの上で寝る
    3. トイレの上で遊ぶ・掘る
  6. やってはいけないNG対応|なぜ逆効果になるのか
    1. 失敗した現場を見せて叱る
    2. 鼻を押しつける・叩く・大きな音で驚かす
    3. 失敗したあとに、たっぷり構う
    4. トイレの場所を何度も動かす
  7. 3週間やって変わらないなら、環境を見てもらう段階です
  8. よくある質問
    1. Q. 子犬のトイレのしつけは、いつから始めればいいですか?
    2. Q. 生後3ヶ月ですが、まだ覚えません。遅いですか?
    3. Q. 一度覚えたのに、また失敗するようになりました
    4. Q. 帰宅したときに、うれしくて漏らします。これもトイレの失敗ですか?
    5. Q. 散歩デビュー後、外でしかしなくなりました。室内トイレは諦めるべきですか?
    6. Q. 留守番が長い日は、どう対応すればよいですか?
  9. まとめ

子犬がトイレを覚えないのは「場所」をまだ学んでいないだけ

サークルの中でペットシーツのにおいを嗅ぐ子犬(イメージ)

要点は3つです。子犬は「排泄する」ことは生まれつきできますが、「決まった場所でする」ことは家に来てから学びます。学ぶ材料は、排泄した直後に何が起きたかだけです。そして体の側の限界として、膀胱を長く我慢する力は月齢とともにしか育ちません。

犬の側から見た「トイレを覚える」とは

犬は言葉で場所を理解しません。覚えるのは「ここで排泄したら、直後にいいことがあった」「ここでしたら、何も起きなかった」という体験の積み重ねです。シーツの上でしたときに、その場で褒められて米粒大のささみが出てくる。これが20回、30回と続いて、ようやく「あの白い四角の上でするとお得だ」がつながります。

逆に言えば、カーペットの上でしても、ソファの足元でしても、犬にとっては「すっきりした」という結果が同じように起きています。排泄そのものが気持ちいいので、場所を問わず行動は続きます。だから「覚えない」のではなく、「シーツの上だけが特別だと、まだ教わっていない」状態だと考えてください。

月齢と、我慢できる時間の目安

もう一つ知っておきたいのが体の限界です。尿をためておく筋肉と神経は、月齢が進むにつれて少しずつしか働きません。日本でよく使われる数え方が「月齢+1時間」で、生後2ヶ月なら3時間、3ヶ月なら4時間が上限という見当です。AKC(アメリカンケネルクラブ)はこれより控えめに、月齢と同じ時間数(生後6ヶ月ならおよそ6時間)を挙げ、伸びきるのは生後9ヶ月〜1歳頃だとしています。RSPCA(英国王立動物虐待防止協会)も、膀胱の容量が大人並みになるのは1歳前後だとし、それまでは45分〜1時間おき、加えて寝起きと就寝前、食事と遊びのあとに連れて行くよう勧めています。

月齢我慢の上限(目安)練習中に誘導する間隔
生後2ヶ月3時間前後1〜2時間おき。夜間も1〜2回
生後3ヶ月4時間前後2時間おき
生後4ヶ月5時間前後2〜3時間おき
生後6ヶ月6〜7時間前後3〜4時間おき
1歳前後大人とほぼ同じ1日4〜5回程度

この表で大事なのは、右の列です。上限ぎりぎりで連れて行くのではなく、上限の半分くらいの間隔で誘導すると、「もう限界で漏らした」という失敗がほぼ消えます。失敗が消えると、褒める機会だけが残ります。トイレトレーニングの正体は、この「褒める機会の数」を増やす作業です。

なお、上の数字はどれも目安で、犬種や体格、その日に飲んだ水の量で簡単に前後します。数字より気にしてほしいのは中身のほうです。1回に出る量が少ないのに何度も行く、姿勢をとってもなかなか出ない、出すときに声を上げる。こうした様子があるなら、しつけではなく体の側の話です。練習を続ける前に動物病院で相談してください。

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犬のしつけ教材 イヌバーシティ|飼い主が学ぶための教材

トイレが成功したあとの3秒、何をしていますか?

子犬がトイレを覚えるかどうかは、うまくできた直後の数秒で決まります。ところが本を読んで納得しても、その瞬間はたいてい見逃してしまいます。
褒めるまでの間合いは、映像でしっかり確認しておくのがオススメです。「イヌバーシティ」では、子犬期にやることを順番に学ぶことができます。

イヌバーシティの中身を覗いてみる

※ 公式ページが開きます。教材のサンプル動画をそのまま見られます。

覚えない原因を見分ける(5パターン)

シーツの外で失敗してしまった子犬(イメージ)

「覚えない」の中身は1つではありません。失敗の起き方を1週間観察すると、次の5つのどれかに当てはまります。どれかで手順が変わるので、先にここで見分けてください。

タイプ失敗の起き方先にやること
① 間に合わないサークルから出して遊んでいる途中、トイレの手前や部屋の隅で。時間を空けすぎた後に多い誘導の間隔を短くする。月齢+1時間の半分で連れて行く
② はみ出すシーツの縁、トレーのすぐ外。前足だけ乗っているシーツを広くする。トレーを体長の2倍以上に
③ 場所がつながっていないサークルの中では成功。外に出すと同じ場所(カーペット・玄関マット)で繰り返す行動範囲を狭める。失敗した場所のにおいを消す
④ 人の前を避ける飼い主が見ていないとき、家具の裏、カーテンの陰でする。目を離した隙に叱るのを完全にやめる。成功に立ち会って褒める回数を増やす
⑤ 回数や様子がおかしい急に回数が増えた。1回の量が少ないのに何度も行く。尿に色がつく、出すときに声を上げる練習より先に動物病院へ

①と②は、環境と間隔を変えるだけで3日ほどで減ります。③は「サークルの中のトイレ」と「部屋の中のトイレ」を犬がまだ同じものと認識していない状態で、行動範囲を段階的に広げると解決します。④は、これまでの叱り方の影響が出ているケースです。原因は飼い主の側にあるので、やり方を変えれば戻ります。

⑤だけは、しつけの範囲を外れます。膀胱や尿路にトラブルがあると、尿意を感じてからためておける余裕がほとんどなくなり、どれだけ環境を整えても失敗は止まりません。急に失敗が増えた、1回の量が減って回数だけ増えた、排尿の様子が普段と違う。このどれかがあれば、手順を進める前に受診してください。体の問題を先に片づけておかないと、正しい練習をしても結果が出ず、飼い主も犬も消耗します。病気と行動の関係についてはしつけ教室の選び方でも触れています。

失敗が減るサークルとトイレの配置

ベッドとトイレを分けて置いた2部屋型のサークル(イメージ)

ここが一番大事なところです。手順の前に、失敗が物理的に起きにくい配置を作ります。配置が正しければ、飼い主が何もしなくても成功の回数が増えます。配置が間違っていると、どれだけ根気よく誘導しても失敗が混ざり続けます。

「寝る場所」と「する場所」を離す

犬は寝床の近くで排泄したがらない性質があります。これを利用します。サークルを2つの区画に分け、片方にベッド、もう片方にトイレを置きます。ベッドとトイレがくっついていると、子犬は「どっちで寝てどっちでするか」を決められず、トイレの上で寝てしまったり、ベッドの隅でしてしまったりします。

要素配置の基準よくある間違い
サークル全体家族の気配は届くが、人の通り道からは半歩ずれた位置。音と出入りが集中する一角は外す廊下の真ん中や、家族が頻繁に通る場所に置く
ベッドサークルの奥側。壁に接した落ち着ける側トイレと隣接させる。入口側に置く
トイレトレー入口に近い側。ベッドから最低でも体長1つ分離す。大きさは体長の2倍以上体がぎりぎり乗る小さいトレーを使う
シーツ1週目はトレーの外までせり出させる。外さないまま数日続いたら1列ずつ戻す最初から1枚だけ敷く
水ベッド側に固定。給水器なら高さを合わせるトイレの上や横に置く(口にする物と排泄の場所が重なる)

トレーのサイズは見落とされがちです。子犬は排泄の前にくるくる回ります。回ったあとに前足だけ乗った状態でしゃがむと、お尻はトレーの外です。これが「はみ出す」タイプの正体で、トレーを大きくするか、周囲までシーツを広げるだけで解決することが多い問題です。ワイドサイズ以上のトイレトレー(メッシュカバー付き)を選んでおくと、成犬になっても使えます。メッシュカバーは、あとで説明する「シーツをかじる」対策にもなります。

サークルの外で遊ぶときのルール

1週目は、サークルの外に出す時間を「排泄の直後だけ」にします。トイレを済ませた直後は、月齢+1時間の余裕があります。その間に遊び、次のタイミングが来たらサークルに戻す。この繰り返しなら、外で失敗することがほぼありません。

「かわいそう」と感じるかもしれませんが、期間は3週間です。この3週間で失敗させないことが、1年後の自由につながります。サークルに入ること自体を嫌がる子には、先にケージやクレートを好きになる練習を1〜2日はさんでください。

3週間の手順|週ごとに変えることを決めておく

シーツの上で排泄を終えた子犬におやつを差し出す手(イメージ)

手順の骨格は「タイミングで連れて行く → 終わった瞬間に褒める → 失敗は黙って片づける」の3つだけです。ただし、3週間ずっと同じことをするのではなく、週ごとに1つずつ条件を緩めていきます。先に全体像を表で示します。

週生活の場所この週に変えること目標
1週目サークルの中が基本。外に出るのは排泄直後の30分だけタイミングを飼い主が全部管理する。シーツは広め。記録をつける1日の成功率を8割以上に。失敗をゼロに近づける
2週目サークルの扉を開け、リビングの一角(2〜3畳)まで行動範囲を広げる誘導の間隔を少し延ばす。シーツをトレーの大きさまで減らす。合図の言葉を固定する自分でサークルのトイレに戻る回数を数える
3週目リビング全体。留守番中はサークルに戻すご褒美を毎回から3回に2回へ。飼い主の誘導を減らし、自分で行くのを待つ誘導なしでの成功が1日3回以上

1週目|飼い主がタイミングを全部握る

  1. 連れて行く場面を5つ決めておく。目が覚めたとき、寝かせる前、水やごはんのあと、興奮して遊んだあと。東京都動物愛護相談センターは、留守番のあと飼い主が帰宅した直後も絶好のチャンスだとしています。この5つが来たら、子犬が動き出す前に抱いてトイレに置きます。
  2. トイレに置いたら、しゃがんで待つ。声はかけません。子犬が床に鼻を近づけ、体をひねって位置を探し始めたら、それが始まる合図です。腰が落ちるところで、小さな声で「ワンツー」「トイレ」など決めた言葉を1回だけ言います。毎回同じ言葉にしてください。
  3. 終わった瞬間に褒める。出し終わって顔を上げた、その瞬間から3秒以内に「いいこ」と声をかけ、米粒大に切ったささみかフードを1粒、その場で口に入れます。ポケットに入れておいてください。取りに行っている間に3秒が過ぎます。
  4. 褒めたら、そのまま外に出して遊ぶ。排泄の直後が一番安全な時間です。20〜30分遊んだらサークルに戻し、次のタイミングを待ちます。
  5. 出ないときは粘らない。5分ほど待って出なければサークルに戻し、10〜15分後にもう一度置きます。ここで外に出してしまうと、外で失敗します。
  6. 記録をつける。時刻、成功か失敗か、場所を1行ずつメモします。3日分たまると、その子の間隔が見えてきます。これが2週目以降の「間隔を延ばす」根拠になります。

褒めるのは「終わった瞬間」。途中で声をかけない

排泄の途中で「えらいね」と声をかけると、子犬はそこで中断して飼い主のほうへ来ます。残りを別の場所でします。褒めるのは出し終わって顔を上げてから。声より先に、ささみを口に入れるくらいの早さが目安です。

2週目|行動範囲を広げ、自分で戻れるか見る

  1. サークルの扉を開けたまま、周囲2〜3畳をフェンスで囲う。子犬はこの範囲で遊び、トイレはサークルの中にあります。
  2. 誘導は1週目と同じタイミングで続けるが、間隔を30分延ばす。記録で「2時間は持つ」と分かっていれば、2時間半にします。
  3. 子犬が自分でサークルに入ってトイレをしたら、1週目の2倍褒める。声を高くして、ささみを2粒。ここが「自分で行く」を教える一番の山場です。
  4. シーツをトレーの大きさまで減らす。1週目に広げていた周囲のシーツを、3日ごとに1列ずつ外します。
  5. 失敗したら、行動範囲を1日だけ1週目に戻す。叱らず、囲いを狭くするだけです。翌日また広げます。

3週目|ご褒美を減らし、留守番の配置を決める

  1. 囲いを外し、リビング全体に広げる。ただしトイレの位置は動かしません。場所を変えるのは、3週目が終わって1週間失敗がなくなってからにしてください。
  2. ご褒美を「3回に2回」にする。毎回出ると分かっているご褒美より、出たり出なかったりするご褒美のほうが、行動は長く続きます。声で褒めるのは毎回続けます。
  3. 留守番中はサークルに戻す。留守番の時間が月齢+1時間を超えるなら、サークルの中で必ずトイレができるようにしておきます。夜間も同じです。夜に鳴いてトイレを要求する子への対応は子犬の夜鳴きの記事で書いています。
  4. 「1週間、失敗ゼロ」を1つの区切りにする。RSPCAは、室内で4週間続けて失敗がなければ定着したと見なしてよいとしています。3週目の終わりはゴールではなく、飼い主の管理を減らし始めてよい合図だと考えてください。

掃除の仕方|においを残すと、そこが2つ目のトイレになる

失敗したときの掃除は、手順の一部です。犬は自分の尿のにおいがある場所を「ここでしていい場所」と認識します。拭いただけでは、人には分からない濃さでにおいが残り、翌日また同じ場所でします。

  1. まずペーパーで押さえて、水分を吸い取る。こすると広がります。
  2. 酵素系(バイオ系)のペット用クリーナーをかけ、表示どおりの時間置く。尿の成分を分解するタイプでないと、においの元が残ります。RSPCAは、代用品として生物系(酵素入り)の洗濯用洗剤を水で薄めたものも挙げています。
  3. アンモニア系や強い香りの洗剤は使わない。犬の鼻には尿のにおいと区別がつかず、同じ場所を選ぶ理由を足すことになります。
  4. 掃除の間、子犬はサークルに戻す。掃除している飼い主を見ると、構ってもらえたと感じる子がいます。黙って、目を合わせず片づけてください。

カーペットやラグに染みた場合は、表面だけでなく裏側まで届いていることが多いので、1週目だけは失敗しそうな場所のラグを外しておくのが確実です。使うのは酵素配合のペット用消臭クリーナー(無香料か微香)で十分です。

困りごと別|シーツをかじる・トイレで寝る・トイレの上で遊ぶ

ペットシーツをかじって引っ張る子犬(イメージ)

手順どおり進めていても、この3つは高い確率で出てきます。どれも「トイレを覚えていない」のとは別の理由で起きているので、対処も別です。

ペットシーツをかじる・ぐちゃぐちゃにする

原因の大半は退屈と歯の生え替わりです。サークルの中でやることがないと、口を使える相手がシーツしか残りません。しかもシーツは、噛めば音が変わり、引けば形が変わる。反応が返ってくる分、置いてあるおもちゃより手ごたえがあります。

  1. シーツより手ごたえのある相手を1つ入れる。フードを詰めた知育トイ(コング等)や、噛みごたえのあるおもちゃ。口の向き先が変われば、シーツは相手にされなくなります。
  2. サークルに入れっぱなしの時間を数える。排泄の直後に外で遊ぶ時間が足りていないと、余った分がそのままシーツに向かいます。
  3. それでも続くなら、メッシュカバー付きのトレーに替える。物理的に口が届かなくなるので、上の2つと並行して使うと確実です。

飲み込んだ場合、吸水材は腹の中で水を吸って膨らみます。かじった破片が見当たらないときは、様子を見ずに動物病院に連絡してください。

トイレの上で寝る

これは、トイレが好かれているというより、ベッドが選ばれていないと考えたほうが早く片づきます。子犬は横になる前に、その日の気温と体調に合う場所を選び直します。シーツは夏はひやりとして、囲いの中は狭くて暗い。ベッドがそこに勝てていないだけです。

  1. まず寝床の側を作り直す。暑い時期は通気性のあるマット、寒い時期は毛布を足す。子犬が自分で選んで昼寝している場所の素材と広さが、そのまま答えになります。
  2. ベッドとトイレの距離を測る。くっついていたら、体長1つ分以上離します。単に境目が分かっていないだけのことがあります。
  3. 囲い付きのトイレなら、平らなトレーに替える。三方を囲まれたトイレは、子犬には巣穴に見えます。
  4. 排泄がトイレでできているなら、寝ている姿は放っておく。叱って降ろすと、トイレそのものが近寄りたくない場所になります。寝る場所の好みは、体が大きくなるにつれて数週間で変わることが多いです。

トイレの上で遊ぶ・掘る

シーツの上でくるくる回って掘るのは、排泄前の動作でもあります。まず「する前の動作」か「ただ遊んでいる」かを見分けてください。においを嗅いで回っているなら排泄が近いので、静かに待ちます。ただじゃれているなら、退屈の問題です。上の「シーツをかじる」と同じ対処でよいです。

注意したいのは、トイレの上で遊んでいるときに構うことです。飼い主が「そこで遊んじゃだめ」と近づくと、子犬にとっては「トイレの上にいると人が来てくれる」になります。遊びに反応せず、排泄した瞬間だけ反応する。この差を徹底すると、子犬はトイレの上で待つより、して褒められるほうを選ぶようになります。

やってはいけないNG対応|なぜ逆効果になるのか

カーテンの陰に隠れる子犬(イメージ)

ここは読み飛ばさないでください。この4つのうち1つでもしていると、正しい手順を積んでも効果が打ち消されます。

失敗した現場を見せて叱る

一番多いNGです。犬は、数分前の行動と今の叱責をつなげて考えることができません。排泄の直後でなければ、子犬が学ぶのは「飼い主が突然怖くなった」だけです。Merck獣医マニュアルは、事後に罰しても効果がなく、不安を増やすだけだと明記しています。

では、している最中に叱ればよいかというと、それも逆効果です。子犬が学ぶのは「人が見ているときに排泄すると怖いことが起きる」です。だから人の目を避けて、家具の裏やカーテンの陰でするようになります。飼い主から見ると「隠れてするようになった、ずるくなった」ように見えますが、犬の側は身を守っているだけです。こうなると、成功に立ち会って褒める機会そのものが減り、トレーニングが進まなくなります。原因の表で書いた「④ 人の前を避ける」は、ほとんどがこの経路で作られます。

鼻を押しつける・叩く・大きな音で驚かす

効かないうえに、犬との関係を壊します。AVSAB(米国獣医動物行動学会)は2021年の声明で、力や痛み、精神的な苦痛に頼る方法を、しつけにも問題行動の治療にも使うべきでないとしています。理由に挙げているのは、恐怖や攻撃性が増えることと、飼い主との関係が悪くなることです。トイレの失敗で叩かれた子犬が学ぶのは、トイレの場所ではなく「飼い主の手が近づくと痛い」です。この学習は、成犬になってからの咬みつきにもつながります。罰を使わない教え方の考え方は叩いたり叱ったりせずにしつける方法にまとめています。

失敗したあとに、たっぷり構う

叱るのとは反対に見えて、同じくらい進行を止めます。失敗するたびに飼い主が駆け寄り、名前を呼び、抱き上げて片づける。子犬にとっては「そこでしたら、人が来て構ってくれた」です。失敗が構ってもらう手段になります。片づけは無言で、目を合わせず、子犬はサークルに戻してから。この「反応の差」が、成功と失敗を分ける一番の材料になります。

トイレの場所を何度も動かす

子犬が覚えているのは「トイレ」という物ではなく、においと、部屋の中でそこが占めている位置です。「ここは失敗が多いから」「来客があるから」と動かすと、手がかりが両方とも消えます。3週間は動かさない。動かすなら、1週間失敗がなくなってから、1日30cmずつ。この2つを守ってください。

3週間やって変わらないなら、環境を見てもらう段階です

夕方のリビングでくつろぐ犬(イメージ)

正直に書くと、トイレトレーニングで詰まる家の多くは、手順を知らないのではなく「どこが崩れているか」が自分では見えません。誘導の間隔が実は長すぎる、褒めるのが5秒遅い、家族の一人だけが叱っている、トイレの位置が動線から外れている。どれも、その家の中を見れば分かることです。

3週間やって成功率が上がらないなら、選択肢は3つあります。

  • しつけ教室・出張トレーニング。トイレの問題は家の中で起きるので、出張型が向いています。家の配置と家族の動きを見て、その場で修正してもらえます。お住まいの地域のしつけ教室から、出張に対応している教室を探せます。
  • 飼い主が学ぶオンライン教材。手順の「なぜ」を体系的に理解して、自分で崩れを見つけられるようになる方法です。下で詳しく書きます。
  • 動物病院の行動診療科。少量を頻繁にする、急に増えた、排尿時の様子が変わった。この場合はトレーニングの問題ではない可能性が高いので、先に受診してください。判断の目安はしつけ教室の選び方に書いています。

トイレを教えるのは、1日10回その場にいる飼い主です

トレーナーが週1回来て、その1時間にトイレを成功させることはできます。でも子犬は1日に10回以上排泄します。残りの9回に立ち会って、3秒以内に褒めるのは飼い主しかいません。だから教室でも教材でも、最後に必要なのは「飼い主が仕組みを理解して、毎回同じ対応ができること」です。

「イヌバーシティ」は、その飼い主が学ぶためのオンライン教材です。収録は1,260分で、子犬向けの内容と成犬向けの内容が分けて紹介されています。叩く・怒鳴るといった体罰は使いません。価格は43,780円(税込)。トイレの問題で出張トレーニングを頼むと1回8,000〜20,000円で、3〜4回通ってもらうと24,000〜80,000円になります。教材はその範囲に収まる金額で、スマホからいつでも見返せます。トイレのあと、噛み癖や吠えの問題が出てきたときにも同じ教材で続けられます。

正直に書きます。教材は動画を見て自分で実践するものです。「うちの配置を見て、今日どこを直すか決めてほしい」という方には、出張トレーニングのほうが早いです。教材が向いているのは、手順の理由から理解したい方、家族全員で同じ動画を見て対応をそろえたい方、そしてこれから先の問題行動にも自分で対応できるようになりたい方です。

シーツの横にする、サークルの外では失敗する、トイレの上で寝てしまう——いろいろ調べても、結局「で、その瞬間どうすればいいの?」となっていませんか? その瞬間の飼い主の動きを、実際の犬で見せているのがこの教材です。イヌバーシティの公式ページには、実際の教材から抜き出した動画が置いてあります。子犬の回を1本見るだけでも、家の中で何が起きているかの見え方が変わるかもしれません。

犬のしつけ教材 イヌバーシティ|飼い主が学ぶための教材

イヌバーシティの中身を覗いてみる

※ 公式ページが開きます。教材のサンプル動画をそのまま見られます。

よくある質問

Q. 子犬のトイレのしつけは、いつから始めればいいですか?

家に迎えた日からです。生後2ヶ月で来た子でも、初日から「排泄の直後に褒める」は始められます。早すぎることはありません。逆に「落ち着いてから」と1〜2週間待つと、その間に家のあちこちで排泄する体験が積み重なり、あとで消す手間が増えます。迎えた初日は、サークルの中で過ごす時間を長めに取り、成功の回数を稼いでください。

Q. 生後3ヶ月ですが、まだ覚えません。遅いですか?

遅くありません。ためておく力が育つのは生後4ヶ月以降で、体の側がまだ追いついていない時期です。AKCも、定着までの期間は子犬ごとにまったく違い、数日で安定する子もいれば数ヶ月かかる子もいるとしています。3ヶ月の時点で成功が半分あれば、順調な部類です。焦って行動範囲を広げるほうが、後戻りします。

Q. 一度覚えたのに、また失敗するようになりました

まず、いつから増えたかを思い出してください。行動範囲を広げた直後、トイレの場所を変えた直後、来客や引っ越しの直後なら、条件が変わったことによる一時的なものです。1週目の配置に3日戻すと、たいてい回復します。心当たりがなく急に増えたなら、体の問題を疑って受診してください。成犬になってからの失敗については、成犬のトイレのしつけ直しで別に書いています。

Q. 帰宅したときに、うれしくて漏らします。これもトイレの失敗ですか?

違います。帰宅や来客のときに、しゃがまずに漏れる、低い姿勢でぽたぽた出る、というのは「うれしょん」と呼ばれる興奮や緊張による排尿で、トイレの場所を学んでいないのとは別の仕組みです。トレーニングでは減らず、迎え方を変えることで減ります。詳しくはうれしょんの治し方を読んでください。

Q. 散歩デビュー後、外でしかしなくなりました。室内トイレは諦めるべきですか?

諦めないでください。東京都は、トイレは散歩の前に家で済ませることを勧めています。雨の日、病気のとき、災害時、老犬になってから。室内でできる犬は、そのすべてで楽になります。方法は、散歩の前に室内トイレに誘導して、してから出発する、を続けることです。散歩に出た瞬間にしてしまう子は、出発前にトイレで5分待つ習慣をつけます。それでも外派になった成犬に室内トイレを教え直す手順は、上の成犬の記事に書いています。

Q. 留守番が長い日は、どう対応すればよいですか?

留守番の時間が「月齢+1時間」を超えるなら、失敗する前提で環境を作ります。サークルの中でトイレとベッドを離して置き、シーツは広めに敷きます。帰宅したら、失敗していても叱らず、まずトイレに誘導して、そこでしたら褒めます。生後3ヶ月で8時間の留守番が毎日続くなら、途中で誰かに来てもらうか、犬の幼稚園を検討する時期です。留守番の練習は留守番の教え方で説明しています。

まとめ

  1. 覚えないのではなく、失敗できる環境で練習している。子犬は「シーツの上だけ得をする」体験からしか場所を学べません
  2. 我慢の上限は「月齢+1時間」。誘導はその半分の間隔で。目が覚めたとき、寝かせる前、飲食のあと、遊んだあと、帰宅直後に連れて行きます
  3. ベッドとトイレを離し、トレーは体長の2倍以上。配置が正しければ、飼い主が何もしなくても成功が増えます
  4. 褒めるのは終わった瞬間から3秒以内。米粒大のささみをポケットに入れておきます
  5. 失敗は無言で片づけ、酵素系クリーナーでにおいを消す。叱ると隠れてする犬になります
  6. 3週間で条件を1つずつ緩める。1週目は管理、2週目は範囲を広げる、3週目はご褒美を減らす。急に失敗が増えたら先に受診

トイレは、子犬と暮らし始めて最初に取り組む「教える」作業です。ここで「叱らずに、成功を作って褒める」型ができると、そのあとの噛み癖や吠えにも同じ型で対応できます。3週間、記録をつけながら進めてみてください。

家の配置を見てもらいたい、家族の対応をそろえたい。そう感じたら、出張トレーニングに対応している教室を地域から探せます。

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